甲州街道自転車旅行 第2部 甲府への道
〜笹子峠紅葉祭り〜
Chapter2-3.山梨県大月市笹子町〜山梨県大月市笹子町編
2005/11/13 12:10〜12:59

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12:10 峠への道

車やバイクはそのほとんどが笹子トンネルへ流れるため
実際にここを通るのは地元の人か僕のような自転車乗りぐらい。
ここまで車とスレスレな走りに嘆いていただけに
非常に快適。気分爽快。
上り坂は辛いけど(笑)。

左手に見える山。線に沿うように様々な色。綺麗だなあ。

「赤」
タイミングかそういうものなのか、こういう明確な「赤」というのは
ほとんど見かけなかったなー。
そもそもの話、ここまでの明確な「赤」ってのは自然よりも人のもの、なのかなあ
なんて思ったりもする。
これまでもまたこの先にも出てくる風景の中で様々な「色」があったが
まず「赤」は無かった。
僕の中にある紅葉=赤なイメージが大分変わった旅でもあったんだよなあ、
この回は。

さて、前述の「赤」を過ぎると民家も無くなり
今度は杉並木が現れ、やや薄暗くなる。
人気はほとんど無し。
途中でハイカー夫婦1組に会ったぐらい。
なんか出てきそうだねえ。夜は敬遠したいよ。
またしばらく登ると杉から再び広葉樹。
とにかくこんな感じの「黄色」が多かったかなあ。
陽光に映えてまさに壮観。
登るにつれ色づく山にワクワクと。

ところでこの峠、きつさはといえば、
うーん、そんなでもないかなあという感じ。
そりゃあ上り坂なのでしんどさはあるけれど、
小刻みなカーブなのであまり疲れず
なんと言っても大きいのが、車やバイクがほとんど通らないこと
これは精神的にも大きい。
ゆったり辺りの風景を撮ることも出来るからね。
まあもっとも、その撮影で休憩ばかりになっているから
楽なのかもしれないけれど(笑)。
困ることと言えば主に3つかな。
■1.標識の類が全然無い
後何キロや今標高何メートルにいるかが全然わからない。
完全に手詰まりと言うことは無い(1本道なので登るだけ)けれど
それはちょっとつまらないところかなあ。
大がかりなモノはいらないが、トンネルまで後○キロとかはあってもいいかと。
■2.僕が見落としていなければ補給ポイントは皆無。
店はおろか自動販売機も
ちゃんと持って峠に入りましょう。
■3.電波が入らない
FOMA回線圏外です(※2012年でもそう)
ま、こんな静かな山の中では無粋だね。ということで
12:31 自然遊歩道

この峠には「矢立ての杉」という有名な観光スポットがある。
それがどんなものかは後述するとして、
車道からは離れていて山の中を進まないと行けない、らしい。
その分岐点がここ。

看板などがある。折角ここまで来たんだし、
ちょっと見にくいか。
山道が気になったが、800mくらいなら慎重に行けば大丈夫だろうと、
自転車をパンクさせないように慎重に進む。
先に言っておく後で思わず、えーと言う目にあう。
12:35 山道


土踏みしめ、枯葉踏みしめ慎重に。
MTBならともかく街乗りの自転車でこんな所に来るとはねえ。
さすがに乗らずに押すだけだが。
道は踏み固められているから歩きにくいって事は無し。
ただ恐いのが小石や枯れ枝などでタイヤへのダメージが無いこと
それだけを意識してた。
パンクとか起きたら目も当てられないし。
あとは変な野生動物や蜂がいたらいやだなあーと思ってたけど
それも大丈夫だった。
まあこんな所じゃあクマなんているわけも無いしって
帰宅後調べたら、一応、熊出没注意の看板はあるのね・・・。

800m、結構あるなあ。あとどれくらいなのかと思っていると石碑。
「明治天皇御野立跡」
明治天皇がこの辺を視察したときに宿泊した家の跡地。
石碑の後ろには石垣が組んである。
天皇ご一行様がこんな所を歩いたというより
こんなところに家があったの?の方がやや驚き。
12:49 難関
その石碑を過ぎ、誰もいない・会わない道をのんびり踏みしめる。
杉を見たらこの道を戻りまた車道を上るつもりだったんだけど
それも少々面倒に。
そんなこと考えていたら目の前にせせらぎ。

『橋は・・・』無い。
身軽な状態ではどうってこと無い、ちょっと軽くジャンプでおしまい。
しかし僕は今大きな荷物を肩に担いでいるわけで。
ちょっと飛び跳ねるのは怖い。
水から出ている石の上を転ばないように細心の注意を払いつつ
ゆっくり進む。
『やれやれ』と思ったらすぐにまたあったんだけどね。
ジグザグに渡るぐらいなら1発ですむ迂回路用意しておいてよ(涙)。
せせらぎを突破したら今度は階段。
山道によくある階段。

坂の両端に丸木を埋め、板で段を作っている
土の階段。
ええここも自転車担いで登りましたとも。
そりゃもうえらく疲れた。たいした段差は無いけれど。
12:53 矢立ての杉

階段の先に待つのが目的の杉。
矢立ての由来はこの辺りの武士が戦場に赴くとき
この杉に矢を射って武勲を祈ったからとか。
杉も大変だ。
そんな杉の所に老夫婦が1組。
「ここを登ってきたのか。大変だっただろう。」
「ええ、まあ(笑)。」
「実はね、この先50メートルぐらいで道路に出るの。
私もさっき知ったんだけど。」
なんですと!
今初めて知る衝撃。ちょっぴりショック。
まあ久々ハイキングできたから許すことにしておこう。
うん。
太く立派な杉を写真に撮り、さて行くかと思ったら
少し先へ行っていた先ほどの夫婦から
「中入ってみな。空が見えるから。」
「あ、そうなんですか?」
教えてもらう。
確かに杉の根元に人が入れるぐらいの穴が空いている。

『詰まったりしたらやだなあ』なんて思いつつも中へ。
しゃがめば十分に通れるぐらい。
中から上を見上げれば頭上にぽっかり丸い穴。

カメラのフラッシュで木肌が見えているけれど
ホントは中は真っ暗。
『へー。すごいなあ。』
外からだけど、ちょうどこの辺で穴が開いているみたい。

なんでこんな風になったかと調べたら火の不始末で燃やしてしまったとか。
言われてみると中は炭化しているねえ。
こんな状態でも木として生きているその生命力はすごいや。

12:59 車道復帰
見学終えてちょっと山道登ると
教えてもらったとおりほんのわずかで車道復帰。

なんだったんだろあの苦労。
当初はこの山道部分を走るため一端峠を下りまた登るという
ある意味無駄なことをしようかなと思ったけれど
何かもういいやって気分になってそのまま登ることに。

復帰してしばらく、山々が陽光を浴びて輝く。
今回ほど自分に2つの才能がないのが残念と思ったことは無いね。
「文」の才能があればこの美しさを言葉で伝えられただろうに。
「写真」の才能があれば文で伝えられない部分も視覚で伝えられただろうに。
残念至極。


ここのコントラストがかなり気に入りしばらく見ほれる。
様々な色の織りなす美。


燃えるような赤い山を背にする頃、のぼりもそろそろ終了。

今度は紅葉を見ながらの下りが始まります。
つづく。
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